複数レジメンによる治療歴を有する小児でも、「クロファラビン」治療を選択することで、寛解または奏効が期待できる。
試験では「クロファラビン」治療を受けた12%の人が完全寛解(CR)、8%の人が血小板の回復を伴わない完全寛解(pCR)、10%の人が部分寛解(PR)を得た。
寛解期間は、CR、pCRが得られた人はいずれも29週間、PRが得られた人は5週間。
生存期間は13週間。pCRが得られた人はいずれも54週間、PRが得られた人は30週間、CRが得られた人は追跡期間中において半数以上の方が生存していた。
グレード3以上の主な有害事象は、発熱性好中球減少症、食欲不振、高血圧、悪心。
この試験の結果などに基づき、日本では、2012年3月には希少疾病用医薬品に指定され、2013年3月25日に製造承認を取得し、5月24日に薬価収載、6月21日に「エボルトラ」として発売。米国においては、2004年12月、欧州においては2006年5月に、再発・難治性小児急性リンパ性白血病の 効能・効果で承認。
【定義】
完全寛解(CR)
以下の条件をすべて満たすことをCRとした。
- 末梢循環血中に白血病細胞が認められない、かつ髄外 浸潤が認められない。
- 骨髄中の白血病細胞が5%未満
- 末梢血の血小板数が10万/㎣以上、かつ好中球絶対数 が1000/㎣以上に回復している。
CRのうち、血小板の回復(10万/㎣以上)を伴わないCRをCRpとした。
部分寛解(PR)
以下の条件をすべて満たすことをPRとした。
- 末梢循環血中に白血病細胞が認められない。
- 骨髄中の白血病細胞が5%以上、25%以下であり、か つ正常な血球前駆体が観察される、または骨髄中の白血 病細胞が5%未満であるが、CR又はCRpの条件を満たさない。
【発表】
2006年4月20日
【試験名】
CLO-212(Phase 2)
【原著】
J Clin Oncol. 2006;24:1917-23. [PubMed:16622268]