早期乳がんの女性は、手術を受けた後、「カペシタビン」を含めた化学療法を選択しても、無再発生存期間、生存期間の延長は期待しにくい。ただし、トリプルネガティブの人では、「カペシタビン」を含めた治療を選択することで、無再発生存期間、生存期間の延長が期待できる。
試験では、
- T-CEFレジメン:「ドセタキセル(3サイクル)→シクロホスファミド+エピルビシン+5-FU(3サイクル)」
- TX-CEXレジメン:「ドセタキセル+カペシタビン(3サイクル)→シクロホスファミド+エピルビシン+カペシタビン(3サイクル)」
が比較された。5年無再発生存率は「T-CEF」レジメンを受けた人で84.5%、「TX-CEX」レジメンを受けた人で86.3%、10年無再発生存率は「T-CEF」レジメンを受けた人で78.5%、「TX-CEX」レジメンを受けた人で76.5%と治療間に差はなかった(p=0.23)。
5年生存率は「T-CEF」レジメンを受けた人で90.2%、「TX-CEX」レジメンを受けた人で92.7%、10年生存率は「T-CEF」レジメンを受けた人で82.4%、「TX-CEX」レジメンを受けた人で84.0%と治療間に差はなかった(p=0.15)。
トリプルネガティブの人に限ると、「TX-CEX」レジメンを受けた人では、「T-CEF」レジメンを受けた人に比べ、無再発生存期間(p=0.02)、生存期間(p=0.03)が有意に長かった。
【発表】
2017年6月1日
【試験名】
FinXX(Phase 3)〔NCT00114816〕
【原著】
JAMA Oncol. 2017;3:793-800. [PubMed: 28253390]