【限局性前立腺がん(15年後)】「手術」vs「経過観察」

65歳未満の人は、「前立腺全摘除術」を選択することで、手術から15年後も前立腺がんが原因で死亡する危険性、全ての要因で死亡する危険性の減少が期待できる。65歳以上では期待しにくい。

試験では、「前立腺全摘除術」を受けた人と、「経過観察」された人の「前立腺がん特異的死亡率」について比較。

15年後、「前立腺全摘除術」を受けた人の14.6%が前立腺がんによって死亡し、「経過観察」された人の20.7%に比べ、統計学的に有意に少なかった(p=0.01)。総死亡率も「前立腺全摘除術」を受けることで52.7%から46.1%に有意に減少(p=0.007)。

65歳未満に限ると、「前立腺全摘除術」を受けることで前立腺がんによる死亡率が25.8%から16.4%に有意に減少(p=0.008)。総死亡率も47.4%から33.9%に有意に減少(p<0.001)。

65歳以上では「経過観察」された人の前立腺がん特異的死亡率が16.0%であったのに対し、「前立腺全摘除術」を受けた人の前立腺がん特異的死亡率は13.0%と治療間に差はなかった(p=0.41)。総死亡率も「経過観察」された人では57.4%であったのに対し、「前立腺全摘除術」を受けた人の前立腺がん特異的死亡率は56.7%と治療間に差はなかった(p=0.89)。

【発表】

2011年3月5日

【試験名】

SPCG-4

【原著】

N Engl J Med. 2011;364:1708-17. [PubMed: 21542742 ]

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