【Ⅲ期肺がん:放射線療法(OS)】「放射線療法+低用量カルボプラチン」vs「放射線療法」

70歳を超え、Ⅲ期非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、放射線療法に「低用量カルボプラチン」の上乗せを選択することで、生存期間および無増悪生存期間の延長が期待できる。

試験では「化学放射線療法」を受けることで、グレード3または4の白血球減少(63.5%)、好中球減少症(57.3%)、血小板減少症(29.2%)、感染症(12.5%)をより多く発現していた。

この試験の結果を、日本肺癌学会による『EBMの手法による肺癌診療ガイドライン』は次のように評価・吟味し、他の試験の結果も踏まえて、化学放射線療法に用いるレジメントして「高齢者でも全身状態が良好であれば、化学放射線療法は選択肢の1つとして勧められる」としている。

本邦における71歳以上の高齢者を対象としたJCOG0301のランダム化比較試験の結果でも、化学放射線療法群(低用量CBDCA 30 mg/m2/日、週5回、計20日間投与+同時胸部放射線照射60 Gy)は放射線単独療法群(胸部放射線照射60 Gy)に比べて、主要評価項目である全生存期間を有意に延長することが示された(生存期間中央値22.4カ月vs. 16.9カ月)。

【発表】

2012年5月22日

【試験名】

JCOG0301(Phase 3)〔NCT00132665

【原著】

Lancet Oncol. 2012;13:671-8. [PubMed: 22622008]

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