【肝細胞がん:一次治療(OS)】「レンビマ」vs「ネクサバール」

REFLECT(Lancet)                        

切除不能な肝細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「レンビマ」治療を選択することで、「ネクサバール」治療を選択した場合に劣らない生存期間が期待できる(ハザード比 0.92, 95%信頼区間 0.79–1.06, 非劣性マージン 1.08)。

レンビマ」治療の主な有害事象(グレード1以上)は、高血圧(42%)、下痢(39%)、食欲減退(34%)、体重減少(31%)。「ネクサバール」治療の主な有害事象は、手足症候群(52%)、下痢(46%)、高血圧(30%)、食欲減退(27%)。

本試験結果に基づいて、2018年3月23日、日本が世界に先駆けて「レンビマ」に関して「切除不能な肝細胞癌」の適応を取得した。

【発表】

2018年2月9日

【試験名】

REFLECT(Phase 3)〔NCT01761266

【原著】

Lancet. 2018; 391: 1163–1173. [PubMed: 29433850]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

全身化学療法歴のないChild-Pugh分類Aの切除不能な肝細胞癌患者954例(本剤群478例[日本人患者81例]、ソラフェニブ群476例[日本人患者87例])において、ソラフェニブを比較対照として本剤の有効性と安全性を評価した。本剤群では体重60kg以上の患者には本剤12mgを1日1回、体重60kg未満の患者には本剤8mgを1日1回投与した。

なお、局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる患者は除外された。主要評価項目である全生存期間(OS)において、ハザード比(95%信頼区間)は0.92(0.79、1.06)であり、95%信頼区間の上限が事前に規定した非劣性マージンの1.08を下回ったことから、本剤群のソラフェニブ群に対する非劣性が統計学的に検証された(OSの中央値:本剤群13.6ヵ月、ソラフェニブ群12.3ヵ月)。

本剤が投与された476例(日本人81例を含む)中447例(93.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧189例(39.7%)、下痢143例(30.0%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群126例(26.5%)、食欲減退122例(25.6%)、蛋白尿114例(23.9%)、疲労111例(23.3%)、発声障害104例(21.8%)等であった。