術前化学療法を考える場合、がん抑制遺伝子TP53の変異の有無によって化学療法を選択しても5年無増悪生存率の向上は期待しにくい。
試験において、下記のいずれかの化学療法に無作為に割り付けられた。
- 「FEC」レジメン:5-FU 500 mg/m²、エピルビシン100 mg/m²、シクロホスファミドド500 mg/m²(または5-FU 600 mg/m²、エピルビシン75 mg/m²、シクロホスファミド900 mg/m²)を3週おきに実施
- 「T-ET」レジメン:ドセタキセル 100 mg/m² 3週おきに6サイクル実施した後にエピルビシン90 mg/m²、ドセタキセル75 mg/m²を3週おきに3サイクル実施
5年無増悪生存率は、TP53の変異に関係なく、「T-ET」レジメンを受けた人で65.1%と「FEC」レジメンを受けた人の60.8%より高かった (ハザード比 0.85, 98%信頼区間 0.71-1.02; p=0.035).。
【発表】
2011年5月11日
【試験名】
EORTC 10994/BIG 1-00(Phase 3)〔NCT00017095〕
【原著】
Lancet Oncol. 2011;12:527-39. [PubMed: 21570352]