【前立腺がん:術後治療】「ゾラデックス」vs「経過観察」

リンパ節転移が認められた場合、術後補助療法として「ゾラデックスまたは除睾術」を選択することで、生存率の向上が期待できる。

試験において死亡した男性は、追跡期間7.1年(中央値)の段階において「ゾラデックス(または除睾術)」治療を受けた47 例中7 例であったのに対し、経過観察例では 51 例中18 例であった。

その後、2006年にLancet Oncology誌に、追跡期間11.9年(中央値)の続報が掲載され、「ゾラデックス(または除睾術)」治療を選択することによって主要評価項目である無増悪生存期間(HR=3.42, 95%信頼区間 1.96-5.98, p<0.0001)および生存期間(HR=1.84, 95%信頼区間 1.01-3.35, p=0.04)が統計学的に有意に延長することが発表された。

前立腺癌診療ガイドライン2016年版』では、この試験の結果を踏まえ、「リンパ節転移陽性例に対しては、ホルモン療法(アンドロゲン遮断療法)が推奨される。(推奨グレードB)」としている。

【発表】

1999年12月9日

【試験】

EST3886(Phase 3)

【原著】

N Engl J Med. 1999;341:1781-8. [PubMed:10588962]

Lancet Oncol. 2006 ;7:472-9. [PubMed: 16750497]

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