CheckMate 227(NEJM)
高tumor mutation burden(≧10/メガベース)の人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ+ヤーボイ」による複合免疫療法を選択することで無増悪生存期間が延長が期待できる。試験では化学療法を受けた人では13.2%が1年後も増悪なく生存していたのに対し、「オプジーボ+ヤーボイ」を受けた人では42.6%が増悪なく生存していた。
〔二次評価項目〕高tumor mutation burden(≧13/メガベース)かつPD-L1≧1%の人は「オプジーボ」単剤治療を選択しても化学療法を選択した場合に比べ、無増悪生存期間の延長は期待しにくい。試験では「オプジーボ」単剤治療を受けた人の無増悪生存期間は4.2ヵ月であったのに対し、化学療法を受けた人は5.6ヵ月であった(ハザード比 0.95, p=0.78)。
〔その他〕低tumor mutation burden(<10/メガベース)の人では、「オプジーボ+ヤーボイ」による複合免疫療法を選択しても無増悪生存期間の延長は期待しにくい。試験では「オプジーボ+ヤーボイ」併用療法を受けた人の無増悪生存期間は3.2ヵ月であったのに対し、化学療法を受けた人は5.5ヵ月であった。tumor mutation burdenを問わない全体でみると「オプジーボ+ヤーボイ」併用療法を受けた人の無増悪生存期間は4.9ヵ月であったのに対し、化学療法を受けた人は5.5ヵ月であり、「オプジーボ+ヤーボイ」による複合免疫療法を選択しても無増悪生存期間の延長は期待しにくい。
高tumor mutation burden(≧10/メガベース)かつPD-L1≧1%の人では「オプジーボ」単剤治療に「ヤーボイ」の上乗せを選択しても無増悪生存期間の延長については、まだ示せていない。試験では「オプジーボ」単剤治療を受けた人の無増悪生存期間は4.2ヵ月であったのに対し、「オプジーボ+ヤーボイ」併用療法を受けた人は7.1ヵ月であった。
【発表】
2018年4月16日
【試験名】
CheckMate 227(Phase 3)〔NCT02477826〕
【原著】
N Engl J Med. 2018 ;378:2093-2104. [PubMed: 29658845]
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