【大腸がん:三次治療(OS)】「スチバーガ」vs「プラセボ」

CORRECT(Lancet)                        

遠隔転移を有する大腸がんと診断され、2ライン以上の化学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「支持療法」に「スチバーガ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。

奏効率は「スチバーガ」治療を受けた人でも1.0%(vs. 0.4%)であり、向上しなかった。

治療に関連した有害事象は「スチバーガ」治療を受けた人の93%に現れた(vs. 61%)。グレード3以上の代表的な有害事象は手足症候群(83% vs. 17%)、倦怠感(48% vs. 10%)、下痢(36% vs. 7%)、高血圧(36% vs. 7%)、皮疹・落屑(29% vs. 6%)であった。

【発表】

2012年11月22日

【試験名】

CORRECT(Phase 3)〔NCT01103323

【試験参加国】

米国、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、チェコ、フランス、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、日本、オランダ、ポルトガル、スペイン、スイス、トルコ

【原著】

Lancet. 2013;381:303-12. [PubMed: 23177514]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン1)、イリノテカン及びベバシズマブ、並びに腫瘍組織におけるKRAS遺伝子が野生型の患者の場合はセツキシマブ又はパニツムマブを含む治療後に増悪した、若しくはこれらの治療法が適応とならない遠隔転移を有する結腸・直腸癌の患者760例(Performance Status:全身状態の指標0又は1、日本人100例を含む)を対象に、至適支持療法の併用下で本剤160mg1日1回食事(総熱量に占める脂肪の割合は30%未満)摂取後に3週間投与+1週間休薬(本剤群)とプラセボ投与(プラセボ群)を比較検討した結果、全生存期間の有意な延長が認められた(CORRECT試験)。

1) 術後補助化学療法としてオキサリプラチンを投与中又は投与終了後6ヵ月以内に増悪した患者は、遠隔転移後にオキサリプラチンが投与されていなくても対象とした。

評価項目

本剤群
(N=505)

プラセボ群
(N=255)

P値
(片側検定)

ハザード比

全生存期間
中央値(日)
(95%信頼区間)

196
(178、222)

151
(134、177)

0.005178

0.774
(0.636、0.942)

※:日本人例数は本剤群67例、プラセボ群33例であった。

副作用(臨床検査値異常を含む)は500例中(日本人65例を含む)465例(93.0%)に認められた。主な副作用の発現例数(発現率)は、手足症候群225例(45.0%)、下痢169例(33.8%)、食欲減退152例(30.4%)、疲労145例(29.0%)、発声障害142例(28.4%)、高血圧139例(27.8%)、発疹113例(22.6%)等であった。