【小細胞肺がん:一次治療(OS)】「イミフィンジ+化学療法」vs「化学療法」

CASPIAN(Lancet)                        

進展型小細胞肺がんの人が初めての治療を考える場合、「エトポシド+プラチナ製剤」治療に「イミフィンジ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。

試験では「化学療法+イミフィンジ」治療を受けた34%の人は18ヵ月後も生存していた(vs 25%)。

「化学療法+イミフィンジ」治療を受けた62%の人はグレード3または4の有害事象を経験した(vs 62%)。

【発表】

2019年10月4日

【試験名】

CASPIAN(Phase 3)〔NCT03043872/jRCT2080223579

【試験参加国】

日本(国立がん研究センター中央病院、九州大学病院、福島県立医科大学附属病院、姫路医療センター、岩国医療センター、国立がん研究センター東病院、がん研有明病院、久留米大学病院、京都大学医学部附属病院、四国がんセンター、愛知県がんセンター、名古屋大学医学部附属病院、岡山大学病院、近畿大学病院、近畿中央呼吸器センター、徳島大学病院、山口宇部医療センター、横浜市立大学附属病院、神奈川県立がんセンター)、米国、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、ブルガリア、中国、チェコ、フランス、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、韓国、オランダ、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スペイン、台湾、トルコ、ウクライナ

【原著】

Lancet. 2019; 394:1929-1939. [PubMed:31590988]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

化学療法歴のない進展型小細胞肺癌患者6)(WHO/ECOG Performance Status 0又は1)537例(本剤と白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)+エトポシド[本剤併用群7)268例]、白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)+エトポシド[対照群8)269例])(日本人34例[本剤併用群18例、対照群16例]を含む)を対象に、本剤、白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)及びエトポシドを併用投与した場合の有効性及び安全性を検討した4)

中間解析の結果、主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])(336件のイベント)は、本剤併用群で13.0[11.5~14.8]カ月、対照群で10.3[9.3~11.2]カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.73[0.591~0.909]、p=0.0047[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.0178]、2019年3月11日データカットオフ)。

6) 体重30kg超かつ①American Joint Committee on Cancer(第7版)のIV期又は②広範囲にわたる複数の肺結節がある若しくは腫瘍/結節量が大きいことにより耐容可能な放射線治療計画で単一照射野内に収まりきらないT3~4の患者が組み入れられた。

7) 本剤1,500mg及びカルボプラチン(AUC5~6)又はシスプラチン(75~80mg/m2)のいずれかを各サイクルの1日目に、さらにエトポシド(80~100mg/m2)を各サイクルの1、2、3日目に3週間間隔で最大4サイクル投与後、本剤1,500mgを単独で4週間間隔で投与した。

8) カルボプラチン(AUC5~6)又はシスプラチン(75~80mg/m2)のいずれかを各サイクルの1日目に、さらにエトポシド(80~100mg/m2)を各サイクルの1、2、3日目に3週間間隔で最大6サイクル投与した。

治験薬が投与された患者のうち、本剤併用群の265例(日本人18例を含む)中260例(98.1%)に有害事象が認められた。本剤併用群でみられた主な有害事象は、好中球減少症111例(41.9%)、貧血102例(38.5%)、悪心89例(33.6%)及び脱毛症83例(31.3%)であった。