【乳がん:術後治療】「加速乳房部分照射」vs「全乳房照射」

腋窩リンパ節転移が0-3個の人は乳房円状部分切除術後の放射線療法を考える場合、「加速乳房部分照射(APBI)」を選択しても、全乳房照射に劣らない同側乳房内再発率は期待しにくい。

「加速乳房部分照射」を受けた人の40%(vs 31%)がグレード1の有害事象を経験し、44%(vs 59%)がグレード2の有害事象を経験し、10%(vs 7%)がグレード3の有害事象を経験した。

本試験が発表される前に改訂された『乳癌診療ガイドライン(2018年版 Ver.2)』の「CQ3. 照射法として加速乳房部分照射(APBI)は勧められるか?」においては「長期のエビデンスがまだ十分ではなく、行わないことを弱く推奨する。」「標準治療としては全乳房照射が勧められ、APBIを行う際には臨床試験の枠組み内で行うべきである。また、わが国にAPBIを導入するにあたっては、欧米の患者との体格や乳房サイズの差による技術的な問題についてのさらなる検討も必要である。」としている。

【発表】

2019年12月5日

【試験名】

NSABP B-39/RTOG 0413(Phase 3)〔NCT00103181

【原著】

Lancet. 2019; 394: 2155-2164. [PubMed: 31813636]

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