【多発性骨髄腫:一次治療(PFS)】「ベルケイド+メルファラン+プレドニゾン」vs「メルファラン+プレドニゾン」

VISTA(NEJM)                          

多発性骨髄腫と診断され、大量化学療法の適応とならない人が初めての治療を考える場合、「メルファランプレドニゾン」治療に「ベルケイド」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。

ベルケイドメルファランプレドニゾン」治療を受けた71%(vs 35%)の人が部分寛解以上を、30%(vs 4%)の人が完全寛解を示し、19.9ヵ月(vs 13.1ヵ月)奏効が持続した。

ベルケイドメルファランプレドニゾン」治療を受けた53%(vs 44%, p=0.02)の人がグレード3の有害事象を、28%(vs 27%)の人がグレード4の有害事象を経験した。

【発表】

2008年8月28日

【試験名】

VISTA(Phase 3)〔NCT00111319

【試験実施国】

米国

【原著】

N Engl J Med. 2008;359:906-17. [PubMed: 18753647]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫に対する海外第Ⅲ相試験(MMY3002試験)における成績概要は以下のとおりであった。
造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者を対象とする無作為化非盲検群間比較試験において、メルファラン9mg/m2prednisone60mg/m2の併用療法(MP療法)とMP療法に本剤注1)(静脈内投与)1.3mg/m2を上乗せしたMPB療法を比較した。腫瘍増殖抑制期間(TTP)は、MP群の15.0ヵ月(中央値)に対して、MPB群で20.7ヵ月(中央値)であった。生存期間は、MP群の43.1ヵ月(中央値)に対して、MPB群では未到達であった。

340例中331例(97.4%)に副作用が認められた。主な副作用[10%以上を記載]は、血小板減少[164例48.2%]、好中球減少[163例47.9%]、末梢性感覚ニューロパチー[148例43.5%]、悪心[134例39.4%]、下痢[119例35.0%]、神経障害性疼痛[117例34.4%]、貧血[109例32.1%]、白血球減少[108例31.8%]、嘔吐[87例25.6%]、疲労[85例25.0%]、リンパ球減少[78例22.9%]、便秘[77例22.7%]、食欲不振[70例20.6%]、腹痛[63例18.5%]、感染[59例17.4%]、発熱[55例16.2%]、無力症[54例15.9%]、発疹[48例14.1%]、錯感覚[41例12.1%]、筋骨格痛[41例12.1%]、帯状疱疹[40例11.8%]、不眠症[35例10.3%]であった。
:国内未承認