【去勢抵抗性前立腺がん】「ゾーフィゴ」vs「プラセボ」

ALSYMPCA(NEJM)                        

骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性が「ゾーフィゴ」治療を選択することで、生存期間の延長が期待できる。

本試験の結果および日本人の患者を対象に「ゾーフィゴ」の安全性および有効性を評価した試験データに基づき、2015年4月24日、「骨転移のある前立腺癌」の治療薬として、「ゾーフィゴ」の製造販売承認が申請された。2016年3月28日、製造販売承認され、6月1日より発売されている。

【発表】

2012年7月18日

【試験名】

ALSYMPCA(Phase 3) 〔NCT00699751

【原著】

N Engl J Med. 2013;369:213-23. [PubMed:23863050]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

ドセタキセル水和物に不応又は不耐で、内臓転移がなく、症候性の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者※1を対象に、標準的治療※2との併用で、本剤55kBq/kg又はプラセボを4週間間隔で6回投与する二重盲検無作為化比較試験を実施した。主要評価項目である全生存期間(OS)の中間解析(本剤群541例、プラセボ群268例)において、プラセボ群と比較して本剤群で統計学的に有意なOSの延長が認められた〔中央値(95%信頼区間):本剤群14.0(12.0~15.8)ヵ月、プラセボ群11.1(8.8~12.9)ヵ月、ハザード比(95%信頼区間):0.681(0.542~0.857)、p=0.00096(層別log-rank検定)、2010年10月14日データカットオフ〕。

※1:内臓転移又は短径3cmを超えるリンパ節腫脹のある患者、クローン病又は潰瘍性大腸炎の患者、半身外部放射線治療歴のある患者、切迫状態にある又は明らかな脊髄圧迫のある患者は除外した。
※2:局所的な外部放射線治療、鎮痛剤、コルチコステロイド製剤、LH-RHアゴニスト製剤、LH-RHアンタゴニスト製剤、抗アンドロゲン製剤、エストロゲン製剤、ビスホスホネート製剤、デノスマブ(遺伝子組換え)等。なお、デノスマブ(遺伝子組換え)は国内第Ⅱ相試験でのみ併用が許容された。

副作用は本剤が投与された600例中386例(64.3%)に認められた。主な副作用は、悪心125例(20.8%)、貧血110例(18.3%)、下痢100例(16.7%)、骨痛95例(15.8%)、疲労73例(12.2%)等であった。