初めての治療を考える場合、「ドセタキセル」治療に「アバスチン(15mg/kg)」治療追加を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できるが、「アバスチン(7.5mg/kg)」では期待しにくい。
試験では、「プラセボ+ドセタキセル」治療を受けた人の無増悪生存期間は8.2ヵ月、「アバスチン(7.5mg/kg)+ドセタキセル」治療を受けた人の無増悪生存期間は9.0ヵ月と治療間に差はなかった(p=0.12)。「アバスチン(15mg/kg)+ドセタキセル」治療を受けた人の無増悪生存期間は10.1ヵ月であり、「ドセタキセル」に「アバスチン(15mg/kg)」治療を追加することで、無増悪生存期間が8.2ヵ月から10.1ヵ月に延長(P=0.006)。
生存期間は「プラセボ+ドセタキセル」治療を受けた人で31.9ヵ月、「アバスチン(7.5mg/kg)+ドセタキセル」治療を受けた人で30.8ヵ月、「アバスチン(15mg/kg)+ドセタキセル」治療を受けた人で30.2ヵ月と治療間に差はなかった。
「アバスチン(7.5mg/kg)+ドセタキセル」治療を受けた55%が奏効したが、「プラセボ+ドセタキセル」治療を受けた人でも46% が奏効しており、治療間に差はなかった(p=0.07)。「アバスチン(15mg/kg)+ドセタキセル」治療を受けた人では64%が奏効しており、「アバスチン(15mg/kg)」治療を追加することで、奏効する確率が46%から64%に上がる(p<0.001)。
本試験の結果を受けて、「アバスチン」が2009年7月29日、欧州で「パクリタキセル」だけでなく、「ドセタキセル」との併用についても適応拡大。
【発表】
2010年5月24日
【試験名】
AVADO(Phase 3)
【原著】
J Clin Oncol. 2010;28:3239-47. [PubMed:20498403]
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