【ER陽性乳がん:一次治療(PFS)】「イブランス+フェマーラ」vs「フェマーラ」

PALOMA-2(NEJM)                       

ER陽性HER2陰性の進行乳がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「フェマーラ」に「イブランス」治療の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。

試験では、「フェマーラ」治療に「イブランス」を上乗せすることで、無増悪生存期間が14.5ヵ月から24.8ヵ月に延長(p<0.001 )。

主なグレード3 または 4 の有害事象は、好中球減少症(66.4% vs. 1.4%)、白血球減少症(24.8% vs. 0%)、貧血(5.4% vs 1.8%)、疲労(1.8% vs 0.5%)。発熱性好中球減少症は、「イブランスフェマーラ」治療を受けた 1.8%(vs 0%)の人が経験した。

本試験の結果を受け、2017年9月27日、「イブランス」が「ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」に対し、承認された。

【発表】

2016年11月17日

【試験】

PALOMA-2(Phase 3)〔NCT01740427/jRCT2080222282

【試験参加国】

日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、北海道がんセンター、熊本市民病院、埼玉県立がんセンター、国立がん研究センター中央病院、千葉県がんセンター、九州がんセンター、広島市立広島市民病院、岩手医科大学附属病院、相良病院、熊本大学医学病院、新潟県立がんセンター新潟病院、大阪医療センター)、米国、オーストラリア、ベルギー、カナダ、チェコ、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、韓国、ポーランド、ロシア、スペイン、台湾、ウクライナ、英国

【原著】

N Engl J Med. 2016;375:1925-36. [PubMed:27959613]

【さらに詳しく】

【こちらの図鑑も合わせて見る】

【トライアル図鑑】  PALOMA-2(ER陽性乳がん:一次治療)
【試験名】 PALOMA-2(Phase 3)〔NCT01740427/jRCT2080222282〕 【試験開始日】 2013年11月25日 【試験終了予定日】 2023年8月26日 【試験参加国】 日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、北海道 ...
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【添付文書における表記】

HR陽性かつHER2陰性であり、進行乳癌に対して内分泌療法歴のない手術不能又は再発閉経後乳癌患者666例(日本人46例を含む)を対象に、パルボシクリブ+レトロゾール併用投与とプラセボ+レトロゾール併用投与の有効性を検討することを目的とした、無作為化、二重盲検、並行群間、国際共同第Ⅲ相試験を実施した。パルボシクリブは、開始用量としてカプセル剤125mgを1日1回3週間連続経口投与後1週間休薬し、レトロゾールは2.5mgを1日1回連続投与した。

主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、パルボシクリブ+レトロゾール群で24.8ヵ月、プラセボ+レトロゾール群で14.5ヵ月であり、ハザード比0.576(95%信頼区間:0.463,0.718;片側層別ログランク検定p<0.000001)でパルボシクリブ+レトロゾール群で統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が認められた。

パルボシクリブ(カプセル剤)が投与された444例(日本人32例を含む)中428例(96.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症348例(78.4%)、白血球減少症171例(38.5%)、脱毛症140例(31.5%)、疲労134例(30.2%)、口内炎103例(23.2%)、悪心96例(21.6%)、関節痛87例(19.6%)、貧血85例(19.1%)、感染症85例(19.1%)、ほてり79例(17.8%)、下痢66例(14.9%)、血小板減少症65例(14.6%)、無力症55例(12.4%)、発疹48例(10.8%)等であった。