【乳がん:術後治療】「テーラード2週毎治療」vs「3週毎治療」

リンパ節転移陽性の早期乳がんの女性は、手術を受けた後「2週毎の化学療法」を選択しても標準治療である「3週毎の化学療法」を選択した場合より、5年乳がん無再発生存率の向上は期待しにくい。

試験では「2週毎の化学療法」として、「エピルビシンシクロホスファミド」を患者の状態に合わせて投与量を調整する「テーラード化学療法」と、投与間隔を2週間に短縮する「dose-dense化学療法」を組み合わせた。「3週毎の化学療法」として、「エピルビシンシクロホスファミド5-FU」を用いた。

試験では、「2週毎の化学療法」を受けた人の88.7%が5年間乳がんの再発なく生存できた。「3週毎の化学療法」を受けた人でも85.0%の人が5年間乳がんの再発なく生存でき、治療間の差は統計学的に有意ではなかった。

5年無再発生存期率は「2週毎の化学療法」を選択することで向上が期待できる。試験では82.1%から6.7%に有意に改善(P = 0.04)。

「2週毎の化学療法」を選択することで5年生存率の向上は期待しにくい。試験では「2週毎の化学療法」を受けた92.1%が5年間生存できていたが、「3週毎の化学療法」を受けた人でも90.2%が生存。有意差なし(P=0.09)。

Gグレード3または4の非血液毒性を「2週毎の化学療法」を受けた52.6%が、「3週毎の化学療法」を受けた36.6%が経験した。

【発表】

2016年11月8日

【試験名】

PANTHER(Phase 3)〔NCT00798070

【原著】

JAMA. 2016;316:1888-1896. [PubMed:27825007]

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