
HER2陰性、ER陽性の人が術前補助療法を考える場合、「フェマーラ」治療にPI3K阻害薬「タセリシブ」の上乗せを選択することで、病理学的完全奏効率の向上は期待しにくいが、奏効率の向上は期待できる。
奏効率はPIK3CA遺伝子変異のある人でより効果が高く、試験では「フェマーラ+タセリシブ」治療を受けた56%(vs 38%)の人で奏効した(OR 2.03, 95% CI 1.06–3.88; p=0.033)。
主なグレード3または4の有害事象は、「フェマーラ+プラセボ」治療を受けた人では血管障害(2%)、消化器症状(1%)、感染症(1%)を経験したのに対し、「フェマーラ+タセリシブ」治療を受けた人では消化器症状(8%)、感染症(5%)、皮膚障害(5%)を経験した。
日本における「タセリシブ」の開発は、有効性がCDK4/6阻害薬「イブランス」を上回れないと判断され、2018年7月に中止が発表されている。
【発表】
2019年8月8日
【試験名】
LORELEI(Phase 2)〔NCT02273973〕
【原著】
Lancet Oncol. 2019; 20: 1226-1238. [PubMed:31402321]
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