
トリプルネガティブの人は、手術の前の補助療法として「ベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル」治療を選択することで、「パクリタキセル」単独治療を選択するより、手術後の完全奏効率の向上が期待できる。試験では「ベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル」治療を受けた人は、病理学的完全奏効率が26%から51%に向上。このI-SPY 2試験はフェーズ2試験であるが、「300人規模のフェーズ3試験において、88%以上の確率で優位性を示せる」と推定された。
「ベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル」治療の主な有害事象(グレード3以上)は、好中球減少症、血小板減少症、貧血。試験ではそれぞれ、71%(vs. 2%)、21%(vs. 0%)、28%(vs. 0%)の人に現れた。発熱性好中球減少症は1%(vs. 0%)の人に発生した。
【発表】
2016年7月7日
【試験名】
I-SPY 2 (Phase 2) 〔NCT01042379〕
【原著】
N Engl J Med. 2016 ;375:22-34. [PubMed:27406347]
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【さらに詳しく】
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