
卵巣明細胞腺がんと診断された人は、「イリノテカン+シスプラチン」治療を選択しても「パクリタキセル+カルボプラチン」に比べ、無増悪生存率の向上は期待しにくい。試験では「イリノテカン+シスプラチン」治療を受けた人の2年無増悪生存率は73.0%であったのに対し、「パクリタキセル+カルボプラチン」治療を受けた人の2年無増悪生存率は77.6%であった。
「イリノテカン+シスプラチン」治療を受けた人の2年生存率は85.5%であったのに対し、「パクリタキセル+カルボプラチン」治療を受けた人の2年無増悪生存率は87.4%であった。
「イリノテカン+シスプラチン」治療を選択した場合、体験する可能性が高くなるグレード3または4の有害事象は、食欲不振、下痢、吐き気、嘔吐、発熱性好中球減少症。「パクリタキセル+カルボプラチン」治療を選択した場合、体験する可能性が高くなるグレード3または4の有害事象は、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症、末梢神経障害、関節痛。
これまでの試験結果より「イリノテカン+シスプラチン」治療が「パクリタキセル+カルボプラチン」治療と同等かそれ以上の予後を得る可能性が期待されていたが、本試験では示せなかった。現状では初回化学療法として「パクリタキセル+カルボプラチン」治療が第一選択である。
【発表】
2016年7月11日
【試験名】
JGOG3017
【原著】
J Clin Oncol. 2016 ;34:2881-7. [PubMed:27400948]
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