
高度(>90%)催吐性リスクの抗がん剤による治療を受ける人が嘔吐・吐き気を予防するために「アロキシ+デキサメタゾン+イメンド」を選択しても「カイトリル+デキサメタゾン+イメンド」に比べ、嘔吐・吐き気を抑える効果の向上が期待しにくい。しかし、治療後2-5日目の嘔吐・吐き気を抑える効果の向上が期待できる。
日本癌治療学会が作成した『制吐薬適正使用ガイドラインガイドライン2015 年10 月【第2版】』では、高度リスクの抗がん薬による急性嘔吐・遅発性嘔吐に対して「イメンド+デキサメタゾン」2剤併用を推奨している。
本試験の結果については、前出のガイドラインでは「高度リスクの抗がん薬投与に対する、パロノセトロン、デキサメタゾン、アプレピタント併用群と,グラニセトロン、デキサメタゾン、アプレピタント併用群の制吐効果の比較を行った第Ⅲ試験(TRIPLE試験)で、パロノセトロン群が遅発期において有意に悪心・嘔吐を抑制したことが示された」と紹介している。
【発表】
2016年6月29日
【試験名】
TRIPLE(Phase 3)
【原著】
Ann Oncol. 2016;27:1601-6. [PubMed:27358385]