
KRAS野生型の人が初めての化学療法を考える場合、「FOLFIRI+アービタックス」を選択しても奏効率は「FOLFIRI+アバスチン」と変わらないが、生存期間の延長が期待できる。
試験では「FOLFIRI+アービタックス」を受けた人の奏効率は62.0%、「FOLFIRI+アバスチン」を受けた人の奏効率は58.0%(p=0.18)。「FOLFIRI+アービタックス」を受けた人の無増悪生存期間は10.0ヵ月、「FOLFIRI+アバスチン」を受けた人の無増悪生存期間は10.3ヵ月(p=0.55)。「FOLFIRI+アービタックス」を受けることで、生存期間が25.0ヵ月から28.7ヵ月に延長(p=0.017)。
グレード3以上の主な有害事象は、血液毒性、皮膚反応、下痢。試験ではそれぞれ「FOLFIRI+アービタックス」治療を受けた人の25%(vs. 21%)、26%(vs. 2%)、11%(vs. 14%)の人に現れた。
【発表】
2014年7月31日
【試験名】
FIRE-3(Phase 3)〔NCT00433927〕
【原著】
Lancet Oncol. 2014;15:1065-75. [PubMed:25088940]
【こちらの図鑑も合わせて見る】
- 【大腸がん:一次治療(OS)】「FOLFIRI+アービタックス」vs「FOLFIRI+アバスチン」
- 【大腸がん:一次治療(PFS2)】「FOLFIRI+アービタックス」vs「FOLFIRI+アバスチン」
【さらに詳しく】
- KRAS野生型の大腸癌でのFOLFIRIとの併用はベバシズマブよりセツキシマブの方がOSを延長【ASCO2013】
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- アービタックスとFOLFIRIの併用はアバスチンとFOLFIRIの併用に比べて転移性大腸癌の一次治療に有効
- セツキシマブは大腸癌の初期治療においてベバシズマブより優れている可能性