
治療の順番を考える場合、「カルボプラチン+パクリタキセル」治療を先に行っても「イレッサ」治療を先に行っても生存期間は変わらない可能性が高い。
試験は、生存期間を延長させる上で「カルボプラチン+パクリタキセル」治療を先に受けた後に「イレッサ」治療を受けるか、「イレッサ」治療を先に受けた後に「カルボプラチン+パクリタキセル」治療を受けるかを検証。
「イレッサ」治療を先に受けた人の生存期間は17.2ヵ月、「カルボプラチン+パクリタキセル」治療を先に受けた人の生存期間は18.8ヵ月で治療間に差はなかった。
「イレッサ」治療を先に受けた人の無増悪生存期間は2.9ヵ月、「カルボプラチン+パクリタキセル」治療を先に受けた人の無増悪生存期間は2.4ヵ月で治療間に差はなかった。
【発表】
2016年11月9日
【試験名】
Phase 2
【原著】
Mol Clin Oncol. 2017;6:56-62. [PubMed:28123729]
《あとがき》
本試験は日本で2003年6月から2005年10月にかけて実施され臨床試験である。当時の「イレッサ」の効能・効果は、「手術不能非小細胞肺癌または再発非小細胞肺癌」であり、「EGFR遺伝子変異陽性」例に対する特異的な有効性が確立されていなかった。そのため、本試験の結果を現在の臨床に応用することはできないが、記録のため『日本がん対策図鑑』に掲載している。