
EGFRもALKも野生型の非扁平上皮がんの人が初めての治療を考える場合、「カルボプラチン+ペメトレキセド」治療に「キイトルーダ」治療の追加を選択することで、奏効率の向上が期待できる。試験では「カルボプラチン+ペメトレキセド」治療に「キイトルーダ」治療を追加することで、奏効率が29%から55%に向上。
追跡期間は10.6ヵ月(中央値)において「キイトルーダ+カルボプラチン+ペメトレキセド」治療を受けた人の無増悪生存期間は13.0ヵ月、「カルボプラチン+ペメトレキセド」治療を受けた人の無増悪生存期間は8.9ヵ月(HR 0.53[0.31–0.91]; p=0.010)。いずれの治療を受けた人も50%以上の人が生存しており、6ヵ月生存率はどちらの治療を受けた人も92%(HR 0.90 [0.42–1.91]; p=0.39)。
グレード3または4の治療に関連した有害事象の発現率は両治療で同程度。試験では「キイトルーダ+カルボプラチン+ペメトレキセド」治療を受けた人の39%が、「カルボプラチン+ペメトレキセド」治療を受けた人の26%がグレード3または4の治療に関連した有害事象を経験した。
「キイトルーダ+カルボプラチン+ペメトレキセド」治療の主なグレード3以上の治療に関連した有害事象は、貧血(12%)、好中球数減少(5%)、急性腎障害(3%)、リンパ球数減少(3%)、倦怠感(3%)、好中球減少症(3%)、敗血症(3%)、血小板減少症(3%)。
「カルボプラチン+ペメトレキセド」治療の主なグレード3以上の治療に関連した有害事象は、貧血(15%)、好中球数減少(3%)、血小板減少症(3%)。
本試験の結果を受けて 2017年5月10日、米国では「カルボプラチン+ペメトレキセド」レジメンとの併用で、PD-L1発現とは無関係に「キイトルーダ」を転移性非扁平上皮非小細胞肺がんの1次治療薬として迅速承認された。
【発表】
2016年10月10日
【試験名】
KEYNOTE-021(Phase 2)〔NCT02039674〕
【原著】
Lancet Oncol. 2016 ;17:1497-1508. [PubMed:27745820]
【こちらの図鑑も合わせて見る】
- 【肺がん:一次治療(PFS)】「キイトルーダ+カルボプラチン+ペメトレキセド」vs「カルボプラチン+ペメトレキセド」
- 【肺がん:一次治療(OS)】「キイトルーダ+カルボプラチン+ペメトレキセド」vs「カルボプラチン+ペメトレキセド」
【さらに詳しく】