
転移性腎細胞がんの人が初めての治療を考える場合は、「インライタ」治療を選択しても「ネクサバール」治療を選択した場合に比べて無増悪生存期間の延長が期待しにくい。
試験では「インライタ」治療を受けた人の半数が10.1ヵ月増悪せずに生存し、「ネクサバール」治療を受けた人の6.5ヵ月に比べて長い成績であったが、この差は統計学的に有意な差ではなかった。
「インライタ」治療の選択によって現れやすくなる有害事象は、下痢(40%→50%)、高血圧(29%→49%)、体重減少(24%→37%)、食欲減退(19%→29%)、発声障害(10%→23%)、甲状腺機能低下症(7%→21%)、上腹部痛(6%→16%)。
「インライタ」治療の選択によって現れにくくなる有害事象は、手足症候群(39%→26%)、発疹(20%→10%)、脱毛(19%→4%)、紅斑(19%→3%)。
「インライタ」治療を受けた場合に現れやすいグレード3以上の有害事象は、高血圧(14%)、下痢(9%)、倦怠感(8%)、体重減少(8%)、手足症候群(7%)。
「ネクサバール」治療を受けた場合に現れやすいグレード3以上の有害事象は、手足症候群(16%)、下痢(5%)、倦怠感(5%)。
重篤な有害事象は、「インライタ」治療を受けた人で34%、「ネクサバール」治療を受けた人で25%であった。
【発表】
2013年10月25日
【試験名】
AGILE 1051(Phase 3)〔NCT00920816〕
【原著】
Lancet Oncol. 2013;14:1287-94. [PubMed:24206640]
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