【HR陽性乳がん:二次治療(PFS)】「イブランス+フェソロデックス」vs「フェソロデックス」

PALOMA-3(NEJM)                        

HR陽性HER2陰性の進行乳がんと診断され、内分泌療法中に再発または進行が認められた女性が次の内分泌療法を考える場合、「フェソロデックス」治療に「イブランス」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。

本試験の結果を受け、2017年9月27日、「イブランス」が「ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」に対し、承認された。

【発表】

2015年6月1日

【試験名】

PALOMA-3(Phase 3)〔NCT01942135/jRCT2080222543

【試験参加国】

日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、埼玉県立がんセンター、千葉県がんセンター、九州がんセンター、相良病院、大阪医療センター)、米国、オーストラリア、ベルギー、カナダ、ドイツ、アイルランド、イタリア、韓国、オランダ、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、台湾、トルコ、ウクライナ、英国

【原著】

N Engl J Med. 2015;373:209-19. [PubMed:26030518]

【さらに詳しく】

 

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【添付文書における表記】

HR陽性かつHER2陰性であり、内分泌療法に抵抗性の手術不能又は再発乳癌患者(閉経状態を問わない)521例(日本人35例を含む)を対象に、パルボシクリブ+フルベストラント併用投与とプラセボ+フルベストラント併用投与の有効性を検討することを目的とした、無作為化、二重盲検、並行群間、国際共同第Ⅲ相試験を実施した。パルボシクリブは、開始用量としてカプセル剤125mgを1日1回3週間連続経口投与後1週間休薬し、フルベストラントは500mgを初回、2週後、4週後、その後4週ごとに投与した。閉経前・閉経周辺期患者にはゴセレリンを併用投与した。

中間解析時点(2014年12月5日カットオフ)において主要評価項目である無増悪生存期間の顕著な延長が認められ、事前に規定した中止基準を満たし、本試験は有効中止となった。無増悪生存期間の中央値は、パルボシクリブ+フルベストラント群で9.2ヵ月、プラセボ+フルベストラント群で3.8ヵ月であり、ハザード比0.422(95%信頼区間:0.318,0.560;片側層別ログランク検定p<0.000001)でパルボシクリブ+フルベストラント群で統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が認められた。

パルボシクリブ(カプセル剤)が投与された345例(日本人27例を含む)中325例(94.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症285例(82.6%)、白血球減少症198例(57.4%)、疲労114例(33.0%)、貧血96例(27.8%)、悪心87例(25.2%)、血小板減少症80例(23.2%)、口内炎70例(20.3%)、脱毛症57例(16.5%)、感染症50例(14.5%)、下痢45例(13.0%)、ほてり45例(13.0%)、発疹40例(11.6%)等であった(2016年2月26日カットオフ時点の集計)。