【乳がん:三次治療】「エチリノテカン」vs「主治医による選択」

多くの治療歴がある人に対する新しい乳がん治療誕生せず。トポイソメラーゼI阻害薬「エチリノテカン」治療によって生存期間の延長を証明できなかった。試験では主治医が選択した治療を受けた人では10.3ヵ月、「エチリノテカン」治療を受けた人は12.4ヵ月であったが統計学的に有意な差ではなかった。

重篤な有害事象は「エチリノテカン」治療を受けた人の30%に現れた(vs. 32%)。グレード3以上の有害事象が現れた人は48%(vs. 63%)で、主治医が選択した治療を受けた人に比べて少なかった。「エチリノテカン」で多く現れる有害事象は下痢で10%(vs. 1%)の人に現れた。少ない有害事象は、好中球減少症(10% vs. 31%)、末梢神経障害(1%未満 vs. 4%)。

エチリノテカン」は、従来の乳癌治療薬とは異なる作用機序をもつため、交差耐性を軽減し、毒性の重複を減らすことが期待できるため、効果が期待できる対象に絞り込み、有用性が証明されるべきとしている。

【発表】

2015年10月22日

【試験名】

BEACON

【原著】

Lancet Oncol. 2015;16:1556-68. [PubMed:26482278]

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