【初回手術の結果、最大残存病巣が1cm超の卵巣がん】「化学療法→腫瘍減量手術」vs「化学療法」

初回手術後に直径1cmを超える腫瘍が残存している人で「パクリタキセルシスプラチン」3サイクル投与後に、癌の進行の徴候がみられなかった場合、再び腫瘍減量手術(二次的外科切除術)を施行しても、生存期間の延長は期待にしくい。

一方、期待できるとする別の報告があり、『卵巣癌治療ガイドライン2015年版』は「初回手術(PDS)でsuboptimal surgeryとなった進行卵巣がんには、化学療法中のinterval debulking surgery(IDS)は選択肢として考慮される(グレードC1)」に推奨レベルは留まっており、「現時点では一定の見解が得られていない。」と評価している。

卵巣癌治療ガイドライン2015年版』は、2つの試験結果が異なる理由として「EORTC-GCG試験ではⅣ期症例が多く、初回手術後の残存腫瘍径が大きいのに対し、本試験では婦人科腫瘍専門医によりPDSが行われている率が高く、残存腫瘍径が小さいという点が挙げられている。すなわち、初回残存腫瘍径が大きい症例では、IDSの重要性がより予後改善に強く関与している可能性がある。」と考察している。

【発表】

2004年12月9日

【試験名】

GOG152

【原著】

N Engl J Med. 2004;351:2489-97. [PubMed: 15590951]

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