【BRCA陽性再発プラチナ感受性卵巣がん:維持療法】「リムパーザ」vs「プラセボ」

プラチナ製剤感受性の再発高悪性度漿液性卵巣がんの人は、プラチナ製剤で奏効が得られた後に維持療法としてPARP阻害薬「リムパーザ」治療を選択することでBRCA変異の有無に関わらず無増悪生存期間の延長が期待できる。特にBRCA変異型で有効。

BRCA変異型の人では試験では「リムパーザ」治療を受けることで無増悪生存期間が4.3ヵ月から11.2ヵ月に延長。

BRCA野生型の人でも試験では「リムパーザ」治療を受けることで無増悪生存期間が5.5ヵ月から7.4ヵ月に延長。

リムパーザ」治療によるグレード3以上の有害事象は倦怠感(7% vs. 3%)、貧血(5% vs. 1%未満)である。「リムパーザ」治療による重篤な有害事象は18%(vs. 9%)の人が経験した。

この結果に基づき、欧州では、2014年12月18日、「リムパーザ」は「BRCA遺伝子変異陽性の再発性高悪性度漿液性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌で、プラチナ製剤を含む化学療法で完全奏効または部分奏効が得られた患者の維持療法」として、医薬品製造販売承認を受けた。

米国では2014年12月19日、「生殖細胞系のBRCA遺伝子変異陽性または同変異が疑われる進行卵巣癌で、前治療で3ライン以上の化学療法を受けている患者に対する初の単剤療法」として、承認された。

【発表】

2014年5月31日

【試験名】

Study19(Phase 2)〔NCT00753545

【原著】

Lancet Oncol. 2014;15:852-61.  [PubMed:24882434]

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