【多発性骨髄腫:二次治療】「ファリーダック+ベルケイド+デキサメタゾン」vs「ベルケイド+デキサメタゾン」

再発した人が次の治療を考える場合、「ベルケイドデキサメタゾン」治療に「ファリーダック」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。

試験では「ファリーダック」治療の追加により、8.08ヵ月から11.99ヵ月に延長。奏効率は「ファリーダック」治療を追加しても変わらない。

試験では「ファリーダックベルケイドデキサメタゾン」治療を受けた60.7%の人が奏効したが、「ベルケイドデキサメタゾン」治療を受けた人でも54.6%が奏効した(p=0.09)。

重篤な有害事象は、「ファリーダック」治療の追加により、42%から60%に増加。グレード3または4の有害事象は、血小板減少症(31%→67%)、リンパ球減少症(40%→53%)、下痢(8%→26%)、無力症または倦怠感(12%→24%)、末梢神経障害(15%→18%)。

この試験成績に基づき、「ファリーダック」が米国では2014年3月、欧州では2014年5月 に承認申請が行われ、米国において2015年2月23日に、「ボルテゾミブ及び免疫調節薬を 含む2種類以上の治療を受けたことのある多発性骨髄腫(ボルテゾミブ及びデキサ メタゾンとの併用)」の適応で、欧州では2015年7月8日に「過去にボルテゾミブおよび免疫調節剤を含む2種類以上の治療を受けた経験のある再発または難治性多発性骨髄腫の成人患者」の適応で、承認された。日本では2015年7月3日、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を適応症として承認された。

【発表】

2014年9月18日

【試験名】

PANORAMA1(Phase 3)〔NCT01023308

【原著】

Lancet Oncol. 2014;15:1195-206. [PubMed:25242045]

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