転移がある人が初めての化学療法を考える場合、標準治療である「FOLFOX」レジメンに「ザルトラップ」追加を選択しても1年後の無増悪生存率の向上が期待しにくい。
試験では「mFOLFOX6+ザルトラップ」治療を受けた25.8%の人が1年後も増悪なく生存できた。一方、「mFOLFOX6」治療を受けた21.2%の人も1年後、増悪なく生存できており、治療間に差はなかった。「mFOLFOX6+ザルトラップ」治療を受けた半数の人は8.48ヵ月以上増悪なく生存していたが、「mFOLFOX6」治療を受けた半数の人は8.77ヵ月以上増悪なく生存できた。
「mFOLFOX6+ザルトラップ」治療を受けた49.1%の人が奏効し、「mFOLFOX6」治療を受けた45.9%の人が奏効した。
「mFOLFOX6+ザルトラップ」の選択によってグレード3以上の神経障害、下痢、好中球減少症が現れる可能性が高い。
試験では、16.8%( vs. 17.2%)、13.4%( vs. 5.2%)、36.1%(vs. 29.3%)の人に現れた。「ザルトラップ」の追加によって増加する可能性が高いグレード3以上の有害事象は高血圧、蛋白尿、深部静脈血栓症、肺塞栓症。試験では、それぞれ35.3% (vs. 1.7%)、9.2% (vs. 0%)、5.9%( vs. 0.9%) 、5.9% (vs. 5.2%)の人に現れた。
【発表】
2016年4月18日
【試験名】
AFFIRM(Phase2)〔NCT00851084〕
【原著】
Ann Oncol. 2016 ;27:1273-9. [PubMed:27091810]
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