【大腸がん:一次治療】「アービタックス+FOLFOX」vs「FOLFOX」

初めての治療を考える場合、「FOLFOX」治療に「アービタックス」治療の上乗せを選択しても、奏効率の向上は期待しにくい。

試験では、「FOLFOX」治療への「アービタックス」治療の上乗せ効果を奏効率について検証。「FOLFOXアービタックス」治療を受けた46%、「FOLFOX」治療を受けた36%の人が奏効。治療間に差はなかった(p=0.64)。

KRAS野生型の人では「FOLFOX」治療に「アービタックス」治療を上乗せすることで、奏効率が37%から61%に向上(p=0.011)。

主要評価項目ではないが、無病生存期間は「FOLFOXアービタックス」治療を受けた人で7.2ヵ月、「FOLFOX」治療を受けた人で7.2ヵ月。治療間に差はなかった(p=0.6170)。KRAS野生型の人では「FOLFOX」治療に「アービタックス」治療を上乗せすることで、7.2ヵ月から7.7ヵ月に延長(p=0.0163)。逆にKRAS変異型の人では「FOLFOX」治療に「アービタックス」治療を上乗せすることで、8.6ヵ月から5.5ヵ月に短縮(p=0.0192)。

conversion chemotherapyによるR0切除率は、KRAS野生型の人で「FOLFOXアービタックス」治療を受けた人のうち61例中6例(9.8%)、「FOLFOX」治療を受けた人の73例中3例(4.1%)が達成。KRAS野生型の人で「FOLFOXアービタックス」治療を受けた人のうち52例中1例(1.9%)、「FOLFOX」治療を受けた人の42例中1例(2.1%)が達成。

【発表】

2008年12月29日

【試験名】

Phase 2

【原著】

J Clin Oncol. 2009 ;27:663-71. [PubMed: 19114683]