【大腸がん:一次治療(TTP)】「FOLFOX」vs「IFL」

遠隔転移を有する大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX」治療を選択することで、「IFL(イリノテカン5-FU急速静注+ロイコボリン)」治療、「IROX(イリノテカン+オキサリプラチン)」治療を選択した場合に比べ、進行までの期間の延長が期待できる。

奏効率は、「FOLFOX」治療が45%、「IFL」治療が31%、「IROX」治療が35%であった。

FOLFOX」レジメンは、悪心、嘔吐、下痢、発熱性好中球減少症、脱水が起こる可能性が少ない。「オキサリプラチン」を含むレジメン(FOLFOX、IROX)は、感覚神経障害、好中球減少症が多い。

【発表】

2003年12月9日

【試験】

Phase 3

【原著】

J Clin Oncol. 2004;22:23-30. [PubMed:14665611]

【添付文書における表記】

化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌を対象とした第Ⅲ相試験におけるFOLFOX4法注4)の有効性は次表のとおりであった。

奏効率(有効例/適格例)

無増悪生存期間中央値

生存期間中央値

45.2%(95/210)

8.7か月

19.5か月

安全性評価症例259例に認められた主な有害事象は、白血球減少221例(85%)、末梢神経症状213例(82%)、好中球減少210例(81%)、悪心184例(71%)、血小板減少183例(71%)、疲労182例(70%)、下痢145例(56%)、嘔吐106例(41%)であった。

注4)本剤85mg/m2(体表面積)を第1日に、ホリナート200mg/m2(体表面積)、フルオロウラシル急速静脈内投与400mg/m2(体表面積)、フルオロウラシル静脈内持続投与600mg/m2(体表面積)をそれぞれ第1、2日に投与することを2週毎に繰り返す。