【子宮頸がん(OS)】「アバスチン+化学療法」vs「化学療法」

GOG240(NEJM)                         

子宮頸がんと診断された女性が治療を考える場合、「化学療法」に「アバスチン」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる。

アバスチンの上乗せを選択することで増えるとリスクがある有害事象は、グレード2 以上の高血圧(25% vs  2%)、グレード 3 以上の血栓塞栓イベント(8% vs 1%)、グレード 3 以上の胃腸管瘻(3% vs 0%)。

この結果を受けて、2014年8月14日米国で「アバスチン」が「難治性、再発もしくは末期(転移性)子宮頸がん 」の適応承認を取得した。続いて欧州では2015年4月8日に「治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんの成人に対する標準的な化学療法の併用療法 」の適応承認を取得した。

一方、日本では2015年9月17日、この結果と日本での第Ⅱ相試験(JO29569試験) の結果に基づいて、「進行・再発の子宮頸がん」を追加する承認申請が行われ、2016年5月23日承認された。

【発表】

2014年2月20日

【試験名】

GOG240(Phase 3)〔NCT00803062

【原著】

N Engl J Med. 2014;370:734-43.  [PubMed: 24552320]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

全身化学療法未治療の手術又は放射線療法による根治療法の対象とならない進行又は再発注20)の子宮頸癌患者を対象に、化学療法(シスプラチン・パクリタキセル療法注21)又はパクリタキセル・ノギテカン塩酸塩療法注22))を対照群とし、化学療法に本剤15mg/kgを併用注23)したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群では、対照群に比べ主要評価項目である生存期間の有意な延長が認められた。

注20)FIGO分類ⅣB期及び治療抵抗性を含む。

注21)21日を1サイクルとし、以下の①~③から患者ごとに選択。

①第1日目にパクリタキセル135mg/m2を24時間かけて静脈内投与し、第2日目にシスプラチン50mg/m2を静脈内投与する。
②第1日目にパクリタキセル175mg/m2を3時間かけて静脈内投与し、シスプラチン50mg/m2を静脈内投与する。
③第1日目にパクリタキセル175mg/m2を3時間かけて静脈内投与し、第2日目にシスプラチン50mg/m2を静脈内投与する。

注22)21日を1サイクルとし、第1日目にパクリタキセル175mg/m2を3時間かけて静脈内投与し、第1~3日目にノギテカン塩酸塩0.75mg/m2を静脈内投与する。

注23)シスプラチン・パクリタキセル療法との併用の場合:21日を1サイクルとし、第1又は2日目に他剤投与終了後に本剤15mg/kgを静脈内投与する。
パクリタキセル・ノギテカン塩酸塩療法との併用の場合:21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤15mg/kgを静脈内投与する。

注24)有意水準0.0140

副作用発現率は、化学療法+本剤群で98.2%(214/218例)であった。主な副作用は、疲労79.4%(173/218例)、脱毛症61.9%(135/218例)、悪心61.9%(135/218例)、末梢性感覚ニューロパシー60.1%(131/218例)、便秘45.9%(100/218例)、下痢36.7%(80/218例)、嘔吐33.5%(73/218例)、食欲減退33.5%(73/218例)、高血圧28.9%(63/218例)、腹痛27.5%(60/218例)であった。