【尿路上皮がん:維持療法(OS)】「バベンチオ+支持療法」vs「支持療法」

JAVELIN Bladder 100(NEJM)                   

転移性尿路上皮がんと診断され、「ゲムシタビンシスプラチン(またはカルボプラチン)」を受け、4〜6サイクル投与までに奏効または病勢安定が認められた人は、維持療法として「バベンチオ」治療を選択することで生存期間の延長が期待できる。

バベンチオ」による維持療法を受けることで奏効率が1.4%から9.7%への向上が期待できる。

バベンチオ」治療を受けた47.4%(vs 25.2%)の人がグレード3以上の有害事象を経験した。5%以上の人が経験したグレード3以上の有害事象はなかった。

【発表】

2020年9月18日

【試験名】

JAVELIN Bladder 100(Phase 3)〔NCT02603432/jRCT2080223199

【試験参加国】

日本(名古屋大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、四国がんセンター、群馬県立がんセンター、北海道がんセンター、北海道大学病院、神戸市立医療センター中央市民病院、筑波メディカルセンター病院、岩手医科大学附属病院、相模原病院、神奈川県立がんセンター、近畿大学病院、埼玉医科大学国際医療センター、獨協医科大学埼玉医療センター、浜松医科大学附属病院、日本大学附属板橋病院、がん研有明病院、慶応義塾大学病院、山口大学医学部附属病院、千葉県がんセンター、九州がんセンター、九州大学病院、広島市立広島市民病院、鹿児島大学病院、熊本医療センター、新潟大学医歯学総合病院、大阪公立大学医学部附属病院、徳島大学病院、山形大学医学部附属病院)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フランス、ギリシア、香港、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、韓国、オランダ、ニュージーランド、メキシコ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ロシア、セルビア、スペイン、スウェーデン、台湾、英国

【原著】

N Engl J Med. 2020 ;383:1218-1230.  [PubMed: 32945632]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

プラチナ製剤を含む一次化学療法(4~6サイクル)にて疾患進行が認められていない、根治切除不能な尿路上皮癌患者700例(日本人患者73例を含む)を対象として、本剤(10mg/kgを2週間間隔で静脈内投与)とBest Supportive Care(BSC)の併用療法とBSC単独療法の有効性及び安全性を比較することを目的とした、非盲検無作為化国際共同第Ⅲ相試験を実施した。
主要評価項目はPD-L1の発現を問わない全患者及びPD-L1陽性6) 患者におけるOSであった。
事前に計画した中間解析(2019年10月21日データカットオフ)において、本剤とBSCの併用療法は、全患者及びPD-L1陽性患者のいずれにおいてもBSC単独療法に対して統計学的に有意なOSの延長を示した。

6) 次のいずれかを満たす場合をPD-L1陽性と判定した。
・腫瘍細胞の25%以上に膜染色が認められる。
・腫瘍に浸潤した免疫細胞の割合が1%超かつ免疫細胞の25%以上に染色が認められる。
・腫瘍に浸潤した免疫細胞の割合が1%かつ免疫細胞の100%に染色が認められる。

本剤とBSCの併用療法を受けた344例(日本人36例を含む)中266例(77.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、そう痒症47例(13.7%)、甲状腺機能低下症36例(10.5%)、下痢35例(10.2%)、注入に伴う反応35例(10.2%)、無力症34例(9.9%)、疲労33例(9.6%)、発疹25例(7.3%)、悪寒24例(7.0%)、悪心24例(7.0%)、関節痛23例(6.7%)、発熱23例(6.7%)、甲状腺機能亢進症21例(6.1%)、皮膚乾燥18例(5.2%)であった。