【成人T細胞白血病リンパ腫:一次治療(OS、PFS)】「VCAP-AMP-VECP」vs「CHOP」

急性型成人T細胞白血病リンパ腫と診断された人が初めての治療を考える場合、VCAP-AMP-VECP(mLSG15)療法を選択することで、生存期間の延長が期待できる。

VCAP-AMP-VECP療法を受けた人の完全奏効割合は40%、CHOP療法を受けた人の完全奏効割合は25%であった(p=0.020)。VCAP-AMP-VECP療法を受けた人の1年無増悪生存率は28%(vs 16%)、3年生存率は24%(vs 13%)であった。

VCAP-AMP-VECP療法を受けた人の98%がグレード4の好中球減少(vs 83%)、74%がグレード4の血小板減少症(vs 17%)、32%がグレード3または4の感染症(vs 15%)を経験した。

造血器腫瘍ガイドライン2018年版では「VCAP-AMP-VECP療法は、血液毒性は高いもののCHOP-14療法よりも完全奏効割合と全生存割合に優れており、成人T細胞白血病リンパ腫に対する標準治療と考えられる。ただこの臨床試験は70歳未満を対象としたため、高齢者への適用の可能性に関しては不明である。」と評価している。

VCAP-AMP-VECP(mLSG15)療法
次の治療を28日間を1コースとして、6コース繰り返す。
VCAP(【1日目】ビンクリスチンシクロホスファミドドキソルビシンプレドニゾロン
AMP(【8日目】ドキソルビシン+ラニムスチン+プレドニゾロン
VECP(【15日目】ビンデシンエトポシドカルボプラチンプレドニゾロン、【17日目】エトポシドプレドニゾロン

【発表】

2007年10月29日

【試験名】

JCOG9801(Phase 3)〔UMINC000000066

【原著】

J Clin Oncol . 2007;25:5458-64. [PubMed: 17968021]