SELECT(NEJM)
放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんと診断された人が次の治療を考える場合、「レンビマ」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。
主な有害事象は、高血圧(67.8%)、下痢(59.4%)、倦怠感または無力症(59.0%)、食欲減退(50.2%)、体重減少(46.4%)、悪心(41.0%)。「レンビマ」治療を受けた人の14.2%が有害事象のため、治療を中止した。
本試験および国内臨床試験の結果を受けて、2014 年 6 月、承認申請され、2015 年 3 月「根治切除不能な甲状腺癌」の効能・効果について承認された。
【発表】
2015年2月12日
【試験名】
【試験参加国】
米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、チェコ、デンマーク、フランス、ギリシア、イタリア、日本、韓国、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スペイン、スウェーデン、タイ、英国
【原著】
N Engl J Med. 2015;372:621-30. [PubMed:25671254]
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【さらに詳しく】
- 放射性ヨウ素治療抵抗性甲状腺癌におけるレンバチニブとプラセボとの比較〔NEJM日本語アブストラクト〕
- 甲状腺がん新薬、無増悪生存期間を大幅延長〔ケアネット〕
- エーザイ 分子標的薬レンバチニブの甲状腺がんP3で主要評価項目達成 6月にも日欧米同時申請〔ミクスOnline〕
- 新規分子標的薬レンバチニブは、放射性ヨウ素抵抗性の進行分化型甲状腺癌患者において高い奏効率をもたらし、癌の進行を遅らせる(ASCO2014)〔海外がん医療情報リファレンス〕
- 放射性ヨウ素抵抗性分化型甲状腺癌に対するlenvatinib投与でPFSを延長【ASCO2014】〔日経メディカル〕
- レンバチニブが甲状腺癌患者のPFSを延長〔日経メディカル〕
- エーザイ レンバチニブ、プラセボ対照でPFSを有意に延長〔日刊薬業〕
【添付文書における表記】
放射性ヨウ素治療抵抗性・難治性(ヨウ素の取込みが認められない、放射性ヨウ素治療後12ヵ月以内に病勢の進行が認められた、又は累積線量が600mCi[22GBq]を超える放射性ヨウ素治療を受けている)の分化型甲状腺癌患者(乳頭癌、濾胞癌、Hürthle細胞癌、及び低分化癌)392例(本剤群261例[日本人患者30例]、プラセボ群131例[日本人患者10例])において、プラセボを比較対照として本剤24mgを1日1回投与した場合の有効性と安全性を評価した。
なお、心不全の既往、心血管系疾患の既往、不整脈、出血性疾患、血栓性疾患又は活動性の喀血がある患者、抗凝固剤を投与されている患者、3週間以内に大手術を受けた患者、及びQTc間隔が480ms超の患者は除外された。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は本剤投与群で18.3ヵ月、プラセボ群で3.6ヵ月であり、本剤はプラセボ群に対してPFSを有意に延長した(P<0.0001;層別Log Rank検定、ハザード比:0.21、99%信頼区間:0.14、0.31)。
無作為化期において、本剤が投与された261例(日本人30例を含む)中254例(97.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧177例(67.8%)、下痢159例(60.9%)、食欲減退135例(51.7%)、体重減少123例(47.1%)、悪心107例(41.0%)、疲労104例(39.8%)、口内炎96例(36.8%)、蛋白尿85例(32.6%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群83例(31.8%)等であった。