【多発性骨髄腫:維持療法(PFS)】「ニンラーロ」vs「経過観察」

TOURMALINE-MM4(JCO)                  

多発性骨髄腫と診断され、造血幹細胞移植の適応がない人が、導入化学療法に奏効が認められた人が、その後の治療を考える場合、「ニンラーロによる維持療法」を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。

ニンラーロによる維持療法」を受けた36.6%(vs 23.2%)の人がグレード3以上の治療関連有害事象を経験し、12.9%(vs 8.0%)の人が治療関連有害事象のため治療中止を余儀なくされた。主な治療関連有害事象は、悪心、嘔吐、下痢であった。

【発表】

2020年10月6日

【試験名】

TOURMALINE-MM4(Phase 3)〔NCT02312258

【試験参加国】

米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コロンビア、クロアチア、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシア、ハンガリー、イスラエル、イタリア、日本(大垣市民病院、神戸市立医療センター中央市民病院、日立総合病院、近畿大学医学部附属奈良病院、岡山医療センター、順天堂大学医学部附属順天堂医院、日本赤十字社医療センター、九州医療センター、福島県立医科大学附属病院、水戸医療センター、久留米大学病院、静岡がんセンター、日本赤十字社名古屋第一病院、名古屋市立大学医学部附属病院、成田赤十字病院、新潟県立がんセンター中央病院、大阪府済生会中津病院、災害医療センター、豊橋市民病院、山梨県立中央病院)、韓国、メキシコ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、セルビエ、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、トルコ、英国

【原著】

J Clin Oncol. 2020 ;38:4030-4041. [PubMed: 33021870]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

国際共同第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験)

自家造血幹細胞移植(ASCT)の適応とならず、かつ初回治療により奏効が認められた初発の多発性骨髄腫患者を対象に注11)、プラセボを対照としてイキサゾミブを経口投与した注12)。なお、多発性骨髄腫が一次療法施行後に再発した患者、又は一次療法に無反応であった患者は対象から除外した。
合計706例(日本人32例を含む)が3:2の割合でイキサゾミブ又はプラセボに無作為割付され、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は盲検化された独立評価委員会(IRC)により中央検査結果に基づき評価され、イキサゾミブ投与群において有意な延長が認められた(2019年8月12日データカットオフ) 。

注11)初回治療に対して部分奏効以上の奏効が認められた患者を対象とした。

注12)イキサゾミブの用法・用量:28日間を1サイクルとし、最初の4サイクルは、イキサゾミブ3mgを週1回(28日サイクルの1、8及び15日目)経口投与し、最初の4サイクル中に忍容性が認められれば、サイクル5の1日目に4mg へと増量した。なお、イキサゾミブ又はプラセボは、最長で約24ヵ月間、又は病勢進行若しくは忍容不能な毒性が確認されるまで(いずれか早い方まで)投与した。

副作用発現頻度は、イキサゾミブ投与群で67%〔284/426例(日本人17例含む)〕であった。主な副作用(10%以上)は、悪心〔22%(92例)〕、嘔吐〔19%(82例)〕、下痢〔18%(76例)〕及び末梢性感覚ニューロパチー〔12%(50例)〕であった。