【肝細胞がん:一次治療(OS)】「ネクサバール」vs「プラセボ」

SHARP(NEJM)                          

進行肝細胞がんと診断された人が初めての全身療法を考える場合、「ネクサバール」治療を選択することで生存期間の延長が期待できる。

ネクサバール」治療を受けた人で、下痢、体重減少、手足症候群、低リン酸血症を経験する人が多かった。

本試験の結果を受け、欧米では2007年6月に承認申請が行われ、欧州では2007年10月30日に、米国では2007年11月19日に承 認された。日本においては、本試験と国内Phase 1試験の結果を基に、2008年5月に承認申請が行われ、2009年5月に「切除不能な肝細胞癌」に対する効能・効果が追加された。

【発表】

2008年7月24日

【試験名】

SHARP(Phase 3)〔NCT00105443

【原著】

N Engl J Med. 2008;359:378-90. [PubMed:18650514]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

全身化学療法歴のない切除又は局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)が適用されない、Child-Pugh分類Aの肝細胞癌患者を対象として、プラセボ対照、無作為化、二重盲検により、OS等を主要評価項目、TTP(time to progression)等を副次評価項目とする試験を実施した。
有効性評価対象となったのは、602例(ソラフェニブ群299例、プラセボ群303例)であった。OSの中央値はプラセボ群241日、ソラフェニブ群324日であり、プラセボ群と比較しソラフェニブ群で有意なOSの延長が認められた(p=0.000583)。ハザード比(ソラフェニブ/プラセボ)は0.6931(95%信頼区間:0.5549~0.8658)であった。
ソラフェニブ群の安全性評価対象297例中236例(79.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢116例(39.1%)、疲労64例(21.5%)、手足皮膚反応63例(21.2%)であった。