【肝細胞がん:術後治療】「ネクサバール」vs「プラセボ」

STORM(Lancet Oncol)                       

肝細胞がんで手術またはアブレーション治療を受けた人は、その後の治療として「ネクサバール」を最長4年続けても、無再発生存期間の延長は期待にしにくい。試験では「ネクサバール」治療を受けた人の半数以上が33.3ヵ月間再発なしに生存したが、「プラセボ」を投与された人の半数以上も33.7ヵ月間再発なしに生存した。

【発表】

2015年9月8日

【試験名】

STORM(Phase 3)

【原著】

Lancet Oncol. 2015;16:1344-54. [PubMed:26361969]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

国際共同第Ⅲ相試験

外科的切除術又は局所療法(ラジオ波焼灼療法又は経皮的エタノール注入療法)による根治的治療施行後に完全奏効が得られた、Child-Pugh分類A又はB(7点以下)の肝細胞癌患者を対象とした術後補助化学療法として、プラセボ対照、無作為化、二重盲検により、無再発生存期間(RFS)を主要評価項目、TTR、OSを副次評価項目とする試験を実施した。
有効性評価対象となったのは、1114例(ソラフェニブ群556例、プラセボ群558例)であり、日本人患者149例(ソラフェニブ群72例、プラセボ群77例)が含まれた。RFSの中央値はプラセボ群33.8ヵ月、ソラフェニブ群33.4ヵ月であり、プラセボ群と比較しソラフェニブ群で有意なRFSの延長は認められなかった(p=0.26)。ハザード比(ソラフェニブ/プラセボ)は0.940(95%信頼区間:0.780~1.134)であった。
ソラフェニブ群の安全性評価対象559例中526例(94%)に副作用が認められた。主な副作用は、手足皮膚反応389例(69.6%)、下痢215例(38.5%)、脱毛179例(32.0%)であった。