【Ⅲ期肺がん:化学放射線療法(OS、PFS、ORR)】「パクリタキセル+カルボプラチン」vs「イリノテカン+カルボプラチン」vs 「MVP」

手術ができない人が、化学放射線療法を考える場合、「イリノテカンカルボプラチン」または「パクリタキセルカルボプラチン」を選択しても、「マイトマイシンビンデシンシスプラチン(MVP)」を選択した場合を上回る生存期間は期待しにくい。

試験におけるMVP群に対するハザード比の信頼区間上限値は、「イリノテカンカルボプラチン」群で1.402、「パクリタキセルカルボプラチン」群で1.204でともに設定していた非劣性マージン(1.176)を超え、非劣性は証明できなかった。

イリノテカンカルボプラチン+胸部照射」を受けた人の17.8%、「パクリタキセルカルボプラチン+胸部照射」を受けた人の19.5%、「マイトマイシンビンデシンシスプラチン+胸部照射」を受けた人の17.5%が治療に奏効した。

イリノテカンカルボプラチン+胸部照射」または「パクリタキセルカルボプラチン+胸部照射」を選択した場合、グレード3以上の好中球減少症、白血球減少、貧血、血小板減少症、発熱性好中球減少症、悪心、嘔吐、倦怠感、便秘が有意に少なかった。

【発表】

2010年7月12日

【試験名】

WJTOG0105(Phase 3)

【試験実施国】

日本(近畿大学病院、静岡がんセンター、兵庫県立がんセンター、大阪市立大学医学部附属病院、愛知県がんセンター、近畿中央呼吸器センター 、りんくう総合医療センター、大阪市立総合医療センター、神戸市立医療センター中央市民病院、岐阜市民病院、大阪刀根山医療センター、東海大学医学部付属病院、大阪国際がんセンター、広島市立広島市民病院、名古屋医療センター、熊本地域医療センター、大阪はびきの医療センター、岡崎市立愛知病院、神戸大学医学部附属病院、熊本大学病院、 熊本中央病院、大阪医科大学附属病院、九州大学病院、三豊総合病院、大阪急性期・総合医療センター、和歌山ろうさい病院、日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院、飯塚病院、名古屋掖済会病院、京都医療センター、大垣市民病院、南和歌山医療センター、富山大学付属病院、大阪大学医学部附属病院、兵庫医科大学病院、山口県立総合医療センター、岐阜大学医学部附属病院、奈良県立医科大学附属病院、近畿大学奈良病院、旭川医科大学病院)

【原著】

J Clin Oncol. 2010;28:3739-45. [PubMed: 20625120]

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