【Ⅲ期肺がん:化学放射線療法】「MVP」vs 「ドセタキセル+シスプラチン」

手術ができない人が、化学放射線療法を考える場合、「ドセタキセルシスプラチン」を選択することで「マイトマイシンビンデシンシスプラチン(MVP)」を選択した場合と同程度の生存期間が期待でき、発熱性好中球減少症のリスク減少が期待できる。

ドセタキセルシスプラチン」治療を受けた人では、グレード3以上の好中球減少症(62% vs 94%)、発熱性好中球減少症(22% vs 39%)が有意に少なかった。

この試験の結果を、日本肺癌学会による『EBMの手法による肺癌診療ガイドライン』は次のように評価・吟味し、他の試験の結果も踏まえて、化学放射線療法に用いるレジメントして「プラチナ製剤を含む化学療法との同時併用療法を行うよう勧められる」としている。

CD療法(「ドセタキセルシスプラチン」)は主要評価項目である2年生存率でMVP療法に対する優越性は証明された(CD療法60.3%,MVP療法48.1%)が、生存期間での優越性は証明できなかった。
したがって、放射線治療に同時併用する第3世代抗癌剤を含む化学療法のレジメンの1つとしてCP療法あるいはCD療法が勧められる。

【発表】

2010年6月7日

【試験名】

OLCSG 0007(Phase 3)

【原著】

J Clin Oncol. 2010;28:3299-306. [PubMed: 20530281]

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