【肺がん:二次治療(PFS)】「サイラムザ+ドセタキセル」vs「ドセタキセル」

JVCG(Lung Cancer)                       

非小細胞肺がんと診断され、プラチナ製剤を含む化学療法後に病勢が進行したの人は、「ドセタキセル」治療に「サイラムザ」の上乗せを選択することで日本人においても外国人同様に有効性が期待できる。

サイラムザドセタキセル」併用治療を受けた人の28.9%が奏効し、「プラセボ+ドセタキセル」治療を受けた人の奏効率は18.5%であった。

発熱性好中球減少症が「サイラムザドセタキセル」併用治療を受けた人の34.2%に発症し、「プラセボ+ドセタキセル」単独治療の19.8%より多かった。

サイラムザ」は、本試験およびREVEL 試験の結果に基づき、2015年7月「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応で承認申請され、2016 年 6 月に承認された。

【発表】

2016年7月18日

【試験】

JVCG(Phase 2)〔NCT01703091

【試験実施国】

日本

【原著】

Lung Cancer. 2016;99:186-93. [PubMed:27565938]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

プラチナ製剤を含む一次治療の施行中又は施行後に増悪が認められた進行・再発の非小細胞肺癌患者2)を対象に、本剤+ドセタキセルとプラセボ+ドセタキセルとを比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第II相試験を実施した。本剤10mg/kg又はプラセボとドセタキセル60mg/m2(3週間に1回)を病態の悪化等が認められるまで投与を継続した(投与の際は、本剤の投与後にドセタキセルを投与)。有効性の解析対象とされた157例(本剤+ドセタキセル投与群76例、プラセボ+ドセタキセル投与群81例)における、主要評価項目である無増悪生存期間は、本剤+ドセタキセル投与群で5.22ヵ月(95%信頼区間3.52~6.97)、プラセボ+ドセタキセル投与群で4.21ヵ月(95%信頼区間2.83~5.62)、ハザード比0.83(95%信頼区間0.59~1.16)であった。

本剤が投与された94例中において発現した主な有害事象は、好中球減少症(95.7%)、口内炎(54.3%)、鼻出血(47.9%)、末梢性浮腫(36.2%)、発熱性好中球減少症(34.0%)等であった。

2) JVCG試験において、肺出血のリスク因子を有する患者(胸部における腫瘍の主要血管への浸潤や腫瘍内空洞化を認める患者、喀血の既往歴のある患者等)は組入れ対象から除外した。