手術の前に「化学療法」を選択することで、生存期間の延長が期待できる。
『肺癌診療ガイドライン』では、この解析結果を提示しながらも「臨床病期Ⅰ-Ⅱ期に対して、術前プラチナ併用化学療法を行わないよう推奨する。臨床病期ⅢA期に対して、術前プラチナ併用化学療法を行うよう提案する。」としている。
その理由として、術後補助化学療法のエビデンスが術前補助化学療法よりも早く確立したことから、いくつかの術前補助化学療法の第Ⅲ相試験が早期中止されたため、術後補助化学療法のものと比較してエビデンスの質・量ともに十分でないことを挙げている。
さらに、臨床病期Ⅰ-Ⅱ期に関しては、(2) CHEST試験の臨床病期ⅠB-ⅡA期のサブグループ解析では、生存期間の延長を示せなかったこと、(3) N2症例が除外されたNATCH試験でも、無病生存期間の延長を示せなかったことを挙げている。一方、臨床病期ⅢA期に関しては、CHEST試験の臨床病期ⅡB-ⅢA期のサブグループ解析において、生存期間の延長が示されており、病期によって推奨レベルが異なっている。
【発表】
2014年2月25日
【原著】
Lancet. 2014;383:1561-71. [PubMed: 24576776]
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