初めての治療を考える場合「S-1」に加えて「レンチナン」併用を選択しても、生存期間の延長は期待しにくい。治療成功期間はむしろ併用せずに「S-1」単独治療を選択した方が長い。試験では「S-1+レンチナン」治療を受けた人の半数は9.9ヵ月以上生存したが、「S-1」単独治療を受けた人の半数は13.8ヵ月以上生存した。治療成功期間は4.3ヵ月から2.6ヵ月に短縮した。
「S-1+レンチナン」治療を受けた人の18.7%(vs 22.3%)で腫瘍が縮小した。
「レンチナン」はわが国では「手術不能又は再発胃癌患者におけるテガフール経口投与との併用による生存期間の延長」という効能・効果が承認されており、1986年4月より販売されている。「S-1との併用」については承認されていない。
【発表】
2016年8月4日
【試験名】
JFMC36-0701(Phase 3)〔UMIN 000000574〕
【原著】
Eur J Cancer. 2016;65:164-171. [PubMed:27501505]