【胃がん:二次治療】「アブラキサン」vs「パクリタキセル」

フルオロピリミジン系を含む化学療法が無効になった場合、「アブラキサン毎週投与」を選択することで「パクリタキセル」治療に劣らない生存期間が期待できる。日本のPhase 3試験の結果。

試験では、「アブラキサン毎週投与」を受けた人の生存期間は11.1ヵ月、「アブラキサン3週ごと投与」を受けた人の生存期間は10.3ヵ月、「パクリタキセル毎週投与」を受けた人の生存期間は10.9ヵ月であり、「アブラキサン毎週投与」の「パクリタキセル毎週投与」に対する非劣性が示された(p=0.0085)。「アブラキサン3週ごと投与」は「パクリタキセル毎週投与」に対する非劣性が示されなかった(p=0.062)。

主なグレード3以上の有害事象は好中球減少症、末梢神経障害、発熱性好中球減少症。

試験では、好中球減少症は、3週ごと投与を受けた人の65%、毎週投与を受けた人の41%、パクリタキセル毎週投与を受けた人の29%が経験した。末梢神経障害はそれぞれ20%、2%、2%の人が経験し、発熱性好中球減少症はそれぞれ12%、3%、1%。

この結果を受けて、2017年8月25日、「3週間に1回投与」に加えて、「1週間に1回投与」も承認。さらに、2017年秋に発刊予定の『胃癌ガイドライン改訂版』では、「アブラキサンの毎週投与」は他の単剤治療と同様に2A、「3週おき投与」は3Aと評価される見込み。

【発表】

2017年1月19日

【試験名】

ABSOLUTE(Phase 3)

【原著】

Lancet Gastroenterol Hepatol. 2017;2:277-287. [PubMed:28404157]

【さらに詳しく】