【膵がん:術後治療(OS)】「カペシタビン+ゲムシタビン」vs「ゲムシタビン」

ESPAC-4(Lancet)                        

手術後の補助化学療法を考える場合、「ゲムシタビン」治療に「カペシタビン」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。

試験では、「ゲムシタビン」に「カペシタビン」を上乗せすることで、生存期間が25.5ヵ月から28.0ヵ月に延長(p=0.032 )。無再発生存期間は「ゲムシタビン」単独治療を受けた人で13.1ヵ月、「ゲムシタビンカペシタビン」併用療法を受けた人で13.9ヵ月と治療間に差はなかった(p=0.082)。

カペシタビン」を上乗せすることで、発現しやすくなるグレード3以上の有害事象は、手足症候群、好中球減少症、下痢、感染症。

ゲムシタビンカペシタビン」併用療法は、本試験において生存期間における優越性を示したが、『膵癌ガイドライン 2019年版』においては、「2019年1月現在、切除可能膵癌に対してはわが国の保険に収載されていない現状を鑑み,本ガイドラインでは行うことを提案する(弱い推奨)にとどめた。」としている。

【発表】

2017年1月24日

【試験名】

ESPAC-4(Phase 3)〔ISRCTN96397434

【実施・参加国】

英国、ドイツ、フランス、スウェーデン

【原著】

Lancet. 2017;389:1011-1024.  [PubMed: 28129987]

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