ハイリスクの軟部肉腫の人は、術前に行う化学療法として、組織型別に異なる化学療法を受けても、標準化学療法に比べ、無病生存率の向上は期待しにくい。
標準化学療法は、1サイクル21日として「エピルビシン 60 mg/m2 /日 (1、2日目)+ イホスファミド 3 g/m2 / 日(1、2、3日目)」を繰り返す。
組織型に適した化学療法は、
- 高悪性度粘液状脂肪肉腫に対しては、1サイクル21日として「ヨンデリス1.3 mg/m2 の24時間持続注入」
- 平滑筋肉腫に対しては、1サイクル14日として、1日目に「ゲムシタビン 1800 mg/m2 」の180分以上かけて静注+「ダカルバジン500 mg/m2」の20分以上かけて静注。
- 骨膜肉腫に対しては、1サイクル28日として「イホスファミド 14 g/m2」を14日以上かけて投与。
- 悪性抹消神経鞘腫瘍に対しては、1サイクル21日として「エトポシド150 mg/m2 /日(1、2、3日目)+イホスファミド3 g/m2 / 日(1、2、3日目)」の静注。
- 未分化多形性肉腫に対しては、1サイクル21日として「ゲムシタビン 900 mg/m2 (1、8日目)の90分以上かけて静注+ドセタキセル 75 mg/m2 (8日目)の1時間以上かけての静注」の投与。
試験では、標準化学療法を受けた人の無病生存率は62%、組織型別に異なる化学療法を受けた人の無病生存率は38%とむしろ悪化。
標準化学療法を受けた人の主なグレード3以上の有害事象は、好中球減少症(86%)、貧血(19%)、血小板減少症(17%)。組織型別に異なる化学療法を受けた人の主なグレード3以上の有害事象は、好中球減少症(26%)。
【発表】
2017年5月9日
【試験名】
ISG-STS 1001(Phase 3)〔NCT01710176〕
【原著】
Lancet Oncol. 2017 ;18: 812-822. [PubMed:28499583]
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