【軟部肉腫:一次治療】「オララツマブ+ドキソルビシン」vs「ドキソルビシン」

未治療の切除不能または転移性の軟部肉腫の人は、「ドキソルビシン」に「オララツマブ」の追加を選択することによって、生存期間の延長が期待できる。ただし、主要評価項目であった無増悪生存期間の延長は証明できていない。

試験では無増悪生存期間の差は、4.1ヵ月と6.6ヵ月であったが統計学的に有意な差ではなかった。生存期間は「オララツマブ」の追加によって14.7ヵ月から26.5ヵ月に延長した。奏効率は11.9%と18.2%の差がみられたが、統計学的に有意な差ではなかった。

オララツマブ」の追加によって好中球減少症、粘膜炎、吐き気、嘔吐、下痢が現れる可能性が高まる。試験では「ドキソルビシンオララツマブ」治療を受けた人の58%に好中球減少症(vs. 35%)が、53%に粘膜炎(vs. 35%)が、73%に吐き気(vs. 52%)が、45%に嘔吐(vs. 18%)が、34%に下痢(vs. 23%)が現れた。グレード3以上の発熱性好中球減少症はいずれの治療でも同程度現れた(13% vs. 14%)。

現在、「ドキソルビシン+プラセボ」を対照とした「ドキソルビシンオララツマブ」治療の第3相試験が行われている。

【発表】

2016年6月9日

【試験】

Phase Ⅰb〔NCT01185964

【原著】

Lancet. 2016 ;388:488-97. [PubMed:27291997]