【非転移性去勢抵抗性前立腺がん:一次治療(3年OS)】「ニュベクオ」vs「プラセボ」

ARAMIS(NEJM)                           

転移のない前立腺がんと診断された男性で、アンドロゲン除去療法中の10ヵ月以内にPSAが倍化した後の治療を考える場合、「アンドロゲン除去療法」に「ニュベクオ」の上乗せを選択することで、3年生存率の向上が期待できる。

ニュベクオ」の上乗せによって疼痛が発現するまでの期間は、化学療法剤導入までの期間も延長した。

【発表】

2020年9月10日

【試験名】

ARAMIS(Phase 3)〔NCT02200614

【原著】

N Engl J Med 2020; 383:1040-1049.  [PubMed: 32905676]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

国際共同第Ⅲ相試験

化学療法歴のない前立腺特異抗原(PSA)倍加時間が10ヵ月以下1)の遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌患者2)を対象に、アンドロゲン除去療法(ADT)3)併用下で本剤(本剤群)とプラセボ(プラセボ群)を比較することを目的とした無作為化二重盲検試験が実施された(有効性解析対象例:1509例4)、日本人95例を含む)。本剤群では、本剤600mgを1日2回食後に連日経口投与した。主要評価項目である無転移生存期間(MFS)の中央値は、本剤群で40.37ヵ月、プラセボ群で18.43ヵ月であり、本剤群のMFSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.413、95%信頼区間:0.341~0.500、p値<0.000001、層別ログランク検定)。

1) ADTが行われている間にPSA値を少なくとも3回測定することとされ、PSA値の倍加時間が10ヵ月以下と算出された患者が組み入れられた。

2) ①血清テストステロン値が50ng/dL未満、②PSA値が2.0ng/mL以上、及び③1週間以上の測定間隔でPSA値の上昇が3回認められた去勢抵抗性前立腺癌患者が組み入れられた。

3) 両側精巣摘除術を受けていない患者は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト又はアンタゴニスト療法を継続した。

4) 中央判定による画像再評価においてベースライン時の遠隔転移が判明した89例については、無作為化割付時点でのイベントとした。