【局所進行頭頸部がん:放射線療法】「アービタックス+放射線療法」vs「放射線療法」

遠隔転移を認めないIII-IV期頭頸部扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「放射線療法」に「アービタックス」の上乗せを選択することで局所での進行抑制期間および生存期間の延長が期待できる。

試験では「放射線療法」に「アービタックス」の上乗せを選択することで無増悪生存期間は12.4ヵ月から17.1ヵ月に延長した(HR 0.70 0.54-0.90, p=0.006)。

ざ瘡様発疹および注射部位反応は、「放射線療法+アービタックス」を受けた人でより多く経験した。

【発表】

2006年2月9日

【試験】

Phase 3〔NCT00004227

【原著】

N Engl J Med 2006; 354:567-578 [PubMed: 16467544]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

局所進行性の頭頸部扁平上皮癌(ステージIII又はIV)(上咽頭癌、口腔癌を除く)患者を対象とした本剤と放射線療法7) 併用及び放射線療法単独を比較した試験の成績は次のとおりである。

本剤及び放射線療法併用(211例)

放射線療法単独
(213例)

P値

オッズ比(OR)
又は
ハザード比(HR)

局所コントロール
中央値
(95%信頼区間)

24.4ヵ月
(15.7, 45.1)

14.9ヵ月
(11.8, 19.9)

0.005

HR=0.680
(0.520, 0.890)

生存期間中央値
(95%信頼区間)

49.0ヵ月
(32.8, NE)

29.3ヵ月
(20.6, 41.4)

0.018

HR=0.725
(0.556, 0.946)

7) 1日1回照射法、1日2回照射法、又は同時追加照射法を用い、本剤初回投与の翌週より6~7週間かけて実施。本剤の投与は放射線治療の終了まで継続。

安全性評価症例208例中、主な副作用は、ざ瘡(61.5%)、発疹(24.5%)、悪心(23.6%)、無力症(23.1%)、粘膜障害(18.3%)、発熱及び放射線皮膚損傷(各15.4%)、皮膚乾燥(14.9%)、嚥下障害及びそう痒症(各13.9%)、体重減少(13.0%)、頭痛(12.0%)、嘔吐(10.6%)、白血球減少症及び悪寒(各10.1%)であった。